神保町花月のマンボウやしろ月間第三弾「目を閉じて、、、よ」

「kisskisskiss2013」と「エクセレント!」は再演なので、第三弾にして新作ー!
ではあるのですが、主演が「椿鬼奴」と「レイザーラモンRG
しかも「タイトルがバービーボーイズ」「テーマ:トレンディ」というあまりにも渋すぎる布陣で
実のところあまり食指が動かず。期待レベルはそう高くはありませんでした。

しかし……しかし…!これが予想以上に良かった!気持ちよく泣いたし笑ったし、
見終わった後はスッキリ爽快で、あー楽しかったーと気持ちよく帰宅できました。
2000円とは思えない良いデトックス効果。エンターテイメント。

出演:椿鬼奴/レイザーラモン/犬の心/中澤章吾(かたつむり)/西村ヒロチョ/松崎映子
Story:田舎で働く中年の男と女。何をしてもダメだった男。何かを望むことをやめた女。出逢った2人はゆっくり目を閉じて、、、

GREATEST HITS [DVD]

地方都市に住む中年男女が妹弟の結婚挨拶の席で引き合わされ、付き合うことになる。
お互い両親をなくし、親代わりになって献身的に妹弟を育ててきた同じ境遇のふたりは
今まで自分のことは後回しで、恋愛も何もかもあきらめていた。
「今までありがとう。こんどはお姉ちゃん|兄ちゃんの番だよ。幸せになって!」
という妹弟カップルの期待の言葉に応えるように、
『付き合うことになったわ』『結婚しようと思うの』
喜ぶ弟妹たちに応援され...急速に、順調に、仲を発展させているように見えたふたり。だが…。

出会ってから7日め、旅行に出かけた二人。幸せいっぱいのはずなのに様子がおかしい。

時間の巻き戻し。もう一度同じ7日間を描く。

病院で自分が難病だと告知を受けていた姉。手術には金がかかる。
そのまま向かった居酒屋で、「妹さんと結婚させて下さい!」と告げられ、
「ふたつ条件があるわ」と答える。
「一つ目は、絶対妹を幸せにすること」
「ありがとうございます!死んでも幸せにします!」
「死ななくてもいいわよ!…死んだら幸せにできないじゃない」
「もう一つは...私にもどんどん日本酒持って来て!」

『死んだら幸せにできないじゃない』1回めに聞いたときは何も思わなかったけど、
2回めに聞くと、これは自分自身が死んでしまった後の妹の幸せを案じる言葉だとわかる。
自分はもう死んでしまって、妹を幸せにする仕事はもう自分のものではなくなるんだ。
そう思うと『...日本酒持って来て!』も、喜びだけじゃなくて、死の恐怖と、混乱と、寂しさと...いろんな気持ちがこめられた言葉だとわかる。

どうせ余命が少ないなら‥と、生命保険を妹に残して死のうとする奴姐さん。
妹と生命保険屋の目をあざむくために、他人の借金の連帯保証人になってしまい、ヤクザの借金取りに追われているRGを誘う。
『私とつきあっているフリをして欲しいの』と言われてうそのつきあいをはじめる二人。
無邪気に喜んでいる弟妹カップルが可愛かったなー。
「お姉ちゃん‥私に隠してる事あるでしょ?昔からそういうのすぐわかるもん」
とか小賢しく勘が鋭い子たちだったら台無しでしたねw

二回目で物語の背景が描かれ、さらにもう一度巻き戻し。三回目の7日間で、さらに深みが増しクライマックスを迎える。そして解決編。
基本、登場人物みんな愛すべき人。椿鬼奴もRGもすごく良い人で好きになってしまう。
脇を固める犬の心やHG、ヒロチョなどもそれぞれに見せ場があって、最後はまるくおさまる。
よくできた新喜劇のようだなと思いました。「ヤクザが借金を取りに来る」という事件の作り方もそうだしw

EDトーク、ヒロチョの特技のサックスを披露するよう促したり、先輩たちの
「みんなでヒロチョを盛り上げよう」というあったかい雰囲気がすごい和んだ。
ヒロチョのサックスと、RG&鬼奴のコラボレーションがうまくはまって大盛り上がり。
RG「バービーボーイズ営業とか結構あるんだよ。」
鬼奴「マネージャー!ヒロチョの予定おさえちゃって!」
押見「いや、まだまだいろんな未来がある人ですから…」
チンピラ役のヒロチョ、すごいポップだった!これからたくさん見る機会あるんだろうなー。