「芸人前夜」雑誌掲載時との違いなど

 書籍と雑誌連載時との違いなどマニアックな情報整理メモです。

「芸人前夜」の紹介エントリはこちら→青春を手に入れるまでの物語「芸人前夜」感想 - Sugarsの日記

イラスト

 連載時は毎号自作のイラストが入り、Twitterでそのイラストを元にした塗り絵企画が開催されていたりしました。
参考URL: Twitter塗り絵企画 - オリエンタルラジオ@Wiki - アットウィキ
今見ると懐かしい!優秀作がたくさんでレベル高かったんだこれが!

構成の違い

雑誌連載時の章は下記の通りです。

vol.1 「軍艦島
vol.2 「赤い男と青い春 前編」 
vol.3 「赤い男と青い春 後編」
vol.4 「導火線に火をつけろ 前編」
vol.5 「導火線に火をつけろ 中編」 
vol.6 「導火線に火をつけろ 後編」
vol.7 「NSC 前編」
vol.8 「NSC②」
vol.9 「NSC③」 
vol.10「NSC④」
vol.11「ねぇねぇ」
vol.12「&」
vol.13「真夜中のサイエンス」
vol.14「アイ、ワズ、パラサイト」
vol.15「恋とバットと観覧車」
vol.16「顔無しの群れ」
vol.17「衝と動」
vol.18「晴れの日」
vol.19「スタンドバイミー」
vol.20「名言集」
vol.21「格」
vol.22「徒花」
vol.23「パスタ」
vol.24「風」
vol.25 「原石」
vol.26 「左と右」
vol.27 「恐るべき、配球」
vol.28 「恐るべき、配球」
最終回「夜明け前」

vol.4の「導火線に火をつけろ」が「赤い男と青い春」のように前後編二部構成なのかな?と思いきや意外に筆がすすんだのか中編をはさんだ三部構成になったり、vol.7の「NSC前編」が、その後②③④と続いていったのも連載ならではのライブ感があったりして面白いです(笑)
vol.27とvol.28はなんでサブタイトル同じなんだよとかもきっと気にしてはいけない。

書籍の構成は雑誌掲載時から下記のように変更されています。

1.不況ネイティブの夢

vol.3 導火線に火をつけろ中編
vol.4 導火線に火をつけろ後編
 雑誌連載時はあっちゃんが大学祭で漫才ライブを開催するための出演者を地下劇場に探しに行く「赤い男と青い春」からはじまっているんですが*1 書籍では大学教授の言葉にショックを受け、お笑いを目指すようになるエピソード「導火線に火をつけろ 中編」からはじまっています。
 生まれてから大学に入るまでの生い立ちが書き下ろし加筆。

2.奇妙な補完者

vol.3 導火線に火をつけろ前編
 大学の学祭での初のお笑いライブ開催。当時のコンビを解散し一時お笑いをあきらめるが相方の藤森さんと出会って再び芸人になることを目指すまで。
雑誌掲載時にあった地下劇場での出演者探しの様子や解散を告げられ号泣するシーンはカットされさらりと短くなっていますが、お笑い好きになった経緯と、スガシカオさんについての言及、バイト先での相方藤森さんとの出会いのシーンなどが書き下ろしでかなり多めに追加されています。
「僕は不完全な個体である。がゆえに、それを補う存在が不可欠である」昔からずっと相方を探していた、というのはこのトークライブのエピソードを思い出します。

「はっとおもうよ。相方じゃなくなったら友達でもなくなるんだろ?だから俺どんだけ相方探してたんだって。
俺は相方だけをずーーっと探してたんだ。高校のときから。
友達いねーから弟誘ってみたり。相方にならないって弟に断られて洗面所の前で『何で俺の相方なんねーんだよ!』ってキレて。
高校時代も仲いい藤原ってやつに相方ならないか?って言って『俺はならない』って言われて。
大学で川口が現れて友達になって『相方になるか?』『なる』って言われて、でもそれで『俺は相方をやめる』って言われたらもう会わないの。」

「で、慎吾なんだな。ずーっと相方だけを探してたのかもしれないって思った。」
無限大トーク(4/3) あっちゃんの『相方を捜す旅』(&ボンバーマン) - Sugarsの日記

(川口→スグル(連載時)→武智、藤原→湯川(書籍時)、と変更されています。)

タイトルの「奇妙な補完者」について、ブレイク時に出版した初のエッセイ集「東京R」でも同じような言及がありました。

慎吾くんの誘いにより再び芸人を目指す事を決意するあっちゃん。このあたりのふたりのやりとりは何度読んでもなんともむずがゆいというか甘酸っぱくて好きな部分ですw
せ、青春…!って感じ。こちらも東京Rに記載があるのでファンはあわせてチェックをお勧めします。

東京R

東京R

3.烏合の巣窟

vol.7 「NSC 前編」
vol.8 「NSC②」
vol.9 「NSC③」
vol.10「NSC④」
NSCに入学するまでと、入学後の様子。
モロさんに電話してネタ見せする様子などが加筆されています。

4.禁じられた遊び

vol.11「ねぇねぇ
vol.13「真夜中のサイエンス」
vol.15「恋とバットと観覧車」
NSCでは御法度とされていた同期の女芸人と交際をはじめるまで。ぎこちなさと自分勝手さが甘酸っぱいー。
「真夜中のサイエンス」で語られるモテ理論は必見。

5.苦肉の処女作

vol.12「&」
vol.14「アイ、ワズ、パラサイト」
vol.16「顔無しの群れ」
vol.17「衝と動」
NSCのネタ見せ授業の様子と、武勇伝が生まれるまで。同級生の平井理央さんへの言及もあり。
モロさんシーン書き下ろし。
武勇伝誕生エピソードはぞくぞくする高揚感があります。

6.男の戦い

vol.18「晴れの日」
vol.19「スタンドバイミー」
vol.24「風」M−1準決勝まで
M−1の1回戦突破を目指そう!と言っていたのにあれよあれよといううちにまさかの準決勝進出。
夢だったルミネの舞台にこんなに早くのぼることになるとは!この時期の無敵感と疾走感が爽快です。

7.完全なる道化

vol.24「風」(M−1敗者復活後の同期飲み)
vol.29 最終回「夜明け前
 極めてカッコ悪い失恋のエピソード。失意のあっちゃんに慎吾くんからかかってくる電話が良い。救われます。
この電話の内容、書籍ではエンタの神様のオーディションの合格連絡になってますが雑誌連載時は「なんかテレビ出れるかもしんない」となっていて、これは実際のテレビデビューであるTBS「ゲンセキ」のこと。
 当時の映像をよく見るとホントに手に包帯巻いて武勇伝やってるんですよねwこの裏にそんなドラマが…と。(さらに細かい事いうと、包帯巻いてるこの映像は番組登場2回目の時なんで、実際の事件は初回と2回目の収録の間に起きたのだと思われる)

書籍に収録されていない部分

下記のエピソードは書籍に収録されていません

vol.20「名言集」
vol.21「格」NSC vs JCA対決ライブ。はんにゃが大将になり怒り狂うあっちゃん
vol.25 「原石」TBSオーディション「ゲンセキ」 幻の魔神ネタ
vol.26 「左と右」ニシミネキサクさん
vol.27 「恐るべき、配球」10期ライブトーナメント戦
vol.28 「恐るべき、配球」10期ライブトーナメント戦

当時の同期とのやりとりとかネタ評価とか面白いエキサイティングな部分なので残念です。
読みたい人は上記の掲載号だけマンスリーよしもとPlus購入してもいいかもしれませんね。下記リンクです。
マンスリーよしもとPLUS (プラス) 2011年 05月号 [雑誌] マンスリーよしもとPLUS (プラス) 2011年 06月号 [雑誌] マンスリーよしもとPLUS (プラス) 2011年 10月号 [雑誌] マンスリーよしもとPLUS (プラス) 2011年 11月号 [雑誌] マンスリーよしもとPLUS (プラス) 2011年 12月号 [雑誌] マンスリーよしもとPLUS (プラス) 2012年 01月号 [雑誌]

未収録の部分にかたつむり章吾さん(当時のコンビ名はマインドコントロール)とのやりとりがあるんですが、彼とはこんな因縁があったりして。
オリエンタルラジオトークライブ「無限大」(2)(11/7) - Sugarsの日記
この連載時は一時芸人としての活動を休止して実家の居酒屋で働いており、相方の林さんがひとりで活動してたんですが、連載終了後の2012年12月に無事復帰。そんなこともあわせて読むとさらに感慨深いです。

芸人前夜 (ヨシモトブックス)

芸人前夜 (ヨシモトブックス)

先週オリラジファン仲間で当時のエピソードを補完しあう読書会をやったんですが、懐かしい話たくさんで面白かったです。上記の整理に時間かかっちゃってかなり話し足りなかったのでまたやりたいw

*1:vol.1「軍艦島」はあっちゃんが奇妙なメンツと旅行に行く、「芸人前夜前夜」とも言うべき番外編的な内容です